読書科

 

 

 

 

 

 

平成24年度から長崎南山中学校に新たな教科「読書科」が誕生しました。

「読書科」は単に本を読むという教科ではありません。「一斉読み」等を通して読解を深め、テーマを掘り下げ、その過程で「調べ方」、「探し方」そして「学び方」を学ぶ探求型の学習を行います。最終的には「多読」に結びつけ、「読む力」「書く力」「伝える力」の育成を目指す教科です。
その力が高校では「論理的考察」や「表現力」の「伸び」につながり、大学受験等で多用されるようになった小論文に高いレベルで対応できる力にもなります。

1. 経 緯

創立60周年を迎えるにあたり,「私学教育」の独自色を打ち出す絶好の機会ととらえるとともに,「伸びる南山,伸ばす南山」というブランドコンセプトの具現化に向けた具体的な取り組みとして「読書科」の設置を提案しました。

本校の読書教育及び図書館教育は平成14年度から実施した図書館活性化の5カ年計画にもとづき,図書館の改修をはじめ積極的な読書環境の構築を推進し,県内でもトップクラスの読書教育の実践が可能となりました。このような環境を本校の「強み」として,更にその「強み」を伸ばす取り組みが「読書科」の取り組みです。

「読書科」では自立的学習の実現とコミュニケーション能力の育成を目指し,その後の「伸び」を後押しする教科として位置づけることができます。そのような可能性を持った新しい教科として理解していただきたいと思います。

「読書科」の立ち上げにあたり,盈進中学・高等学校(広島県福山市),関西学院高等学校(兵庫県西宮市)の「読書科」担当の先生方から色々とご指導をいただきました。また,清教学園(大阪)の「探求科」の取り組みも参考にさせていただきました。ご指導をいただいた先生方に心から感謝を申し上げます。

2. 設置目的

新学習指導要領の中では「各学年の内容『A話すこと・聞くこと』,『B書くこと』及び『C読むこと』の言語活動の指導に当たっては,学校図書館などを計画的に利用しその機能の活用を図るようにすること。」と明確に学校図書館の利用について記載されています。本校の生徒の特徴を分析していく中で,読解力はまずまず力をつけていますが,表現力を苦手としている生徒が多いことがわかります。これは,最終的に大学受験の小論文試験などで苦労することになります。しかし,「書くこと」をいくら伸ばしても,小論文は文章表現の試験ではなく,自分が進もうとしている分野への興味・関心がどれだけあり,また,各分野における諸問題について自分なりの考えを持っているかを問われるものです。したがって,早い段階から社会に目を向け,問題意識を持ち,能動的に考える力が必要とされていると言えます。

「読書科」の新設の第一の目的はここにあります。「読む力」,「書く力」,「伝える力」の育成に重点を置きながら,最終的には自立的(能動的)学習の習得を目指していきます。この根底には「多読」があり,中学時代から多岐にわたる分野の書物を読み,「問う力」をつけておくことが,間違いなくその後の伸びに繋がるものであると考えています。

 

4. 「読書科」授業方針 (教科経営方針)

新年度から「読書科」の授業を実施する学年は,中学1年生,中学2年生となります。中学2年生に関しては,今年度からの読書科授業実施を見据えて,昨年度から「国語」の授業の中で,1年次の読書科カリキュラムに準じた内容を一部実施し,スムーズに2年次からの「読書科」の授業に対応できるようにしてきました。

「読書科」の授業形態や方針についてまとめると以下のようになります。

(1)現在の「国語」の時間(週6時間)のうち1時間を「読書科」の時間に割り当てる。

(2)授業にあたるのは今年度の読書科設置準備委員会のメンバー(中学国語科)となる。

(3)授業は基本的にすべて図書館で実施する。

(4)授業はティームティーチング(2名?3名)形式で実施する。

(5)授業は2学年とも水曜日(午前中)に実施する。※授業の性質上

(6)授業だけでなく日常生活の中でも「読む」「書く」「伝える」の実践を推進する。

※今年度から中学1,2年生(読書科実施学年)は生活の記録を再編成する。(「よみとも」)

(7)毎週,他教科と同様に教科部会を設け,シラバス(授業実施計画)を検証する。

(8)評価については,総合的な評価を行う。(ペーパー試験は実施しない)

(9)「国語」や「総合的な学習の時間」などとの差別化をはかる。

(10)読書科だけでなく中学校全体で,子どもたちの「読む」「書く」「伝える」能力の育成を目指し,自立的・能動的な学習を促す体制を構築する。

※図書資料利用時には司書も授業に入りサポートする。

 

5. 「読書科」設置に伴う変更点など

(1)現行の「生活の記録」を廃止し(読書科実施の新中1,中2),「読む」「書く」「伝える」に重点を置いた新しい「生活の記録」(『よみとも』)の使用。

(2)授業時に使用する記録ノート「読書伝」(どくしょでん)の使用。

(3)読書科独自のカリキュラム・シラバスを作成し使用する。

(4)授業時には読書科授業用ワークシートを使用する。

(5)授業時に使用する一斉読書用本の購入。

(6)授業スペース(図書館左側)の机等の改修。(6月はじめに工事及び改修完了)

などとなります。

 

●新生活の記録「よみとも」について

?本書「よみとも」(生活の記録)について?

(学期ごとの分冊になります)

平成24年度,本校(中学校)に「読書科」が誕生しました。

「読書科」の授業は学問の基本となる「読む」,「書く」,「伝える」力を伸ばすために,たくさんの本を読みます。また,たくさんの文章を書きます。そして,自分の言葉で自分の考えを論理的に伝えられるように学んでいきます。

毎日の生活の中でも,読むこと,書くこと,伝えることを実践していくことが大切です。この「読書科」の誕生にあわせて,これまでの「生活の記録」をより充実したものにリニューアルしました。あたらしくなった生活の記録「よみとも」は「読書科」の実践をより効果的に進めるための大切な教材のひとつと考えてください。これまでの「生活の記録」より,読むことや書くこと,伝えることが意識された内容になっています。

毎日の記録はもちろんのこと,文章表現の基礎を培うためにも,必ず毎日の書き込み(記録)を丁寧に行ってください。日々の積み重ね(継続)こそ,自分を成長させ,自己の考え方や生き方を深めていく上で大切なことなのです。毎日の生活,そして「書科」の良きとして,この「よみとも」と親しんでください。

●読書科記録ノート「読書伝」(『どくしょでん』読む・書く・伝える)について

「読書伝」(どくしょでん)は読書科の授業用ノートとして使用する教材となります。「読書科」の重点項目である「読む」、「書く」、「伝える」の3つの要素の頭文字をとり「読書伝」という名称になりました。

このノートには、読んだ本をまとめたり、他の人たちの感想を聞いたりする中での「気づき」を中心にまとめていきます。読みを深めるだけでなく、関連する項目や疑問に感じたことを自ら調べてどんどん書き込んでほしいと思います。

※「読書科」の最新情報は今年度から随時更新していきます。

◆4月11日(水)

「読書科」の授業がスタートしました。

最初の授業は「読書科授業ガイダンス」で、「読書科」の授業についての説明が行われました。2人の授業担当者の他、司書教諭(読書科主任)、司書の4人が授業を行いました。

 

 

 

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