4月7日(月)、本校体育館で平成26年度長崎南山中学校・高等学校入学式が行われました。

4月7日(月)、本校体育館で平成26年度長崎南山中学校・高等学校入学式が行われました。

今年度は中学1年生に59名、高校1年生に258名の新入生を迎えました。

●学校長式辞

平成26年度長崎南山中学校・高等学校入学式校長式辞

―人生に向き合う力を与えてくれる「リーダーシップ教育」?

2014年4月7日

学校長 松本 勝男

今年もまた昨年と同じように、春の訪れが非常に早く、入学式に花を添えるはずの桜も見ごろを過ぎてしまいました。皆さんもお気づきの通り、ここ数年異常な暑さや異常な寒さが続き、私たちの生活にどんな影響が及ぶのか、とても気にかかります。しかし、そうは言いながらも、私たち人間は、ただただ、自然の営みに身をゆだねるしかありません。自然の優しさも自然の厳しさもありのままに受け止め、日々新たな気持ちで自らを磨き上げ、成長を遂げていきたいものです。

さて、新入生の皆さん、保護者の皆様、長崎南山中学校・高等学校への入学、おめでとうございます。皆さんの入学を心から歓迎致します。皆さん一人ひとり様々な思いを持って今日の入学式に臨んでおられることと思いますが、皆さんは南山に望まれて入学したのだということを忘れないでほしいと思います。第一志望で南山に入学してきた人もそうでない人も、それぞれに南山で果たすべき役割があるはずです。その役割に気づいた時、必ずや南山は皆さんにとってかけがえのない場所となっていくはずです。

南山創立60周年を節目に立ち上げられた「長崎南山リーダーシップ教育」も2年目に入ります。これは、南山の60年間にわたる教育活動を土台にした古くて新しい人間教育です。皆さんには、受験や就職という目先のことだけでなく、自分の人生という長いスパンの中で、学ぶ意味や社会に奉仕する意味を考えてほしいと思います。皆さん一人ひとりが、様々な問題が山積みになっている現代社会の中で幸せな人生を切り開いていくことができるように、教職員一同心をこめて、とことん皆さんに付き合っていきます。

今年度の努力目標は、昨年度から継続している目標で、「長崎南山リーダーシップ教育」の本質をがっちりつかんだものとなっています。皆さんに配布された「入学のしおり」にも載っていますが、覚えているでしょうか。「セルフ:理想の自分へ グローバル:視野を広げ サーバント:役立つ人に」です。

「長崎南山リーダーシップ教育」の要にあるものは、「人間の尊厳のために」という教育目標です。そして、この教育目標を支える3つの校訓「高い人格」「広い教養」「強い責任感」が、3つのリーダーシップ、「セルフリーダーシップ」「グローバルリーダーシップ」「サーバントリーダーシップ」にそれぞれ連動しているわけです。皆さんはこれからの3年ないし6年間、この南山でいろいろなことを学び体験していくことになります。時にはたいへんなこともあるかもしれません。しかし、一つひとつの困難を乗り越えていくことによって、皆さんは一人の人間として成長し、視野が広がり、喜んで奉仕できる心が育まれていくはずです。

これまでに南山を卒業したたくさんの先輩たちが、南山での3年ないし6年の間に、いくつもの困難を乗り越えながら自分を磨き上げ、自分の夢を叶えるための進学先や就職先を見つけ出し、自分の夢を叶えています。南山は自分の夢を叶える手がかりをつかむ場所であるということ、南山で努力したことは必ず報われていくということを信じてください。このように、自分の人生の中で試行錯誤を繰り返しながら、一つひとつの困難を乗り越えていく人間の姿を思い巡らしてみると、「人生は応用問題である」という私の恩師の口癖は、つくづく的を射た言葉だと思わずにいられません。何の予告もなくいきなり降りかかってくる問題に対して、これまでに自分が手にしてきた知識や経験を手がかりに答えを出さなければならないからです。そんな私たちにとって、きっと「リーダーシップ教育」は大きな力になります。もちろん、応用問題の答えそのものを教えてくれるわけではないと思います。そうではなく、応用問題である人生に対して自分なりの答えを出して幸せをつかむための手がかりを教えてくれるのではないでしょうか。間違いなく、小学校の生活よりも中学校の生活はたいへんになってくるし、中学校の生活よりも高校の生活はもっとたいへんになってきます。しかし、「リーダーシップ教育」を土台にしている南山の学校生活にまじめに取り組んでいくなら、きっと皆さんも、厳しさの中にも生き甲斐を見いだし、自分の夢を叶えていくことができるはずです。「リーダーシップ教育」を受けることによって、応用問題である人生にしっかり向き合う力が得られるということをしっかり肝に銘じておいてください。式辞の冒頭で日本の異常気象について触れましたが、考えてみると日本という国は本当に自然災害の多い国です。毎年のように台風が接近または上陸しては雨風の被害が起こったり、火山活動の影響で火山灰や土石流の被害を受けたり、あるいは阪神淡路大震災や東日本大震災のように、大なり小なり地震の影響を受けたりすることも度々あります。しかし、どんなに自然災害に痛めつけられようとも、その度に立ち上がり立派に復興を遂げてきた底力を日本は持っています。きっとこのような日本で暮らしている私たちは、知らず知らずのうちに、困難に向き合う力や困った時にお互いに助け合う心を自然と身につけているのだと思います。これからの日本を背負っていく私たちは、「リーダーシップ教育」を受けることによって、このような日本人の伝統的なメンタリティーを一層豊かなものにしていきたいものです。

最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、数ある学校の中からご子息の進学先に長崎南山中学校・高等学校を選んでいただき、心から感謝申し上げます。これから3年ないし6年間、ご子息を大切にお預かり致します。ご子息共々「南山に通うことができて本当に良かった」と喜んでいただけるよう、教職員一同一生懸命頑張ってまいりますので、どうぞ南山の教育活動にご理解とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

本日ここにお集まりの皆様一人ひとりの上に神様からの豊かな祝福を心から祈念し、学校長の式辞と致します。

 

●生徒会長「歓迎のことば」

さわやかな春風につつまれて、命の躍動する季節がやってきました。新入生の皆さん、長崎南山中学校、高等学校へのご入学おめでとうございます。今日、みなさんをこの学園に迎えることができ、私たち在校生は心から嬉しく思っています。今日からみなさんはこの歴史ある「長崎南山学園」の一員となります。長崎南山中学校、そして南山高等学校の生徒としての新たな学校生活が始まります。今、みなさんそれぞれの胸の内には、期待と不安に満ちた様々な思いがあると思います。小学校六年間の学業を終えた中学新入生のみなさん、そして中学校までの義務教育9年間の学業を終えた高校新入生のみなさんにとって、それぞれにその思いは違うと思います。確かに、これまでの小学校や中学校での生活とは違った「厳しさ」や「忙しい毎日」が待っているのも事実です。しかし、みなさんの「心掛け」や「意識の持ち方」次第で、充実した学園生活をおくることができると私は確信しています。それでは、どんな「心掛け」や「意識の持ち方」が必要なのか、私からアドバイスさせていただきます。

《先ほどの校長先生の挨拶にもありましたが、》長崎南山学園では、昨年度から、「長崎南山リーダーシップ教育」という新たな取り組みが始まりました。南山の校訓である「高い人格」、「広い教養」、「強い責任感」を具体化するための取り組みで、三つのリーダーシップで表現されています。

まず一つ目のリーダーシップが「セルフリーダーシップ」です。これは、私たち自身が主体的に「なりたい自分」、「かなえたい夢」や「目標」を実現させる力を身につけるものです。自分を成長させ伸ばしていくには絶対に「夢」や「目標」が必要です。そして、その「夢」や「目標」を実現させていくために、自分自身と向き合い、自分を鼓舞し、高めていかなければなりません。新入生のみなさんも、ぜひ、夢や目標を持って下さい。

二つ目は、「グローバルリーダーシップ」です。異なる世界の価値観を理解し、自分の視野を広げると共に自分の意思をしっかり伝えていく力を表しています。人にはそれぞれに違った価値観や考え方が存在します。自分と違う価値観や考え方を否定するのではなく、まずは受け入れ「知る」ことが重要です。そうすることで、自分の視野や知識が広がり、自分自身の考え方も深まっていきます。これは、国や文化の違う国際舞台でも同じことです。まずは、相手の国の価値観や文化を知ることが大切なのです。南山では、オーストラリアや韓国の学校と姉妹校提携を結んでいるほか、アメリカの学校とも交流があります。異文化との交流に積極的に参加し、外の世界へ視野を広げ、自分の将来を切り開く原動力として下さい。また、毎朝実施される「朝の読書」や「朝の心」を通じて、様々な知識や考え方を身につけていくことも大切なことです。新入生のみなさんも、ぜひ、自分の視野や知識を広げて、これからのグローバル社会で通用する力を身につけて下さい。

三つ目は、「サーバントリーダーシップ」です。これは、自らが規範を示し、周りや組織を支援しながら目標を成し遂げる力を意味しています。「リーダーシップ」というと、自分が先頭に立って組織を引っ張るイメージが強いと思いますが、「サーバントリーダー」は、周囲と協力して働き、組織で目標を成し遂げていくリーダーシップを意味します。南山では、生徒会活動を生徒会役員が主体的、そして活発に行っています。そして、役員80名以上という県内でも最大規模の組織運営がなされています。周囲を引っ張るリーダーも必要ですが、役員一人ひとりが、学校のために何ができるかを考えて行動しています。クラスや部活動でも同じです。自分がクラスのために、チームのために何ができるかを考えて行動することが求められます。このように、「サーバントリーダーシップ」では、組織や集団の中で、自分に何ができるのか、考えながら行動することが求められます。

以上の三つのリーダーシップは、三年後、または六年後、必ず社会の中で必要とされる力になるはずです。そのためにも、まずはこの南山で夢や目標を明確にし、その実現に向けて、日々努力を続ける過程を大切にしてほしいと思います。そして、それが自分自身の成長や、仲間との絆、充実した生活に結びついていくことは言うまでもありません。南山では努力を続けるみなさんを先輩や先生方が熱心にサポートしてくれます。時には厳しい指導を受けることもあると思いますが、「厳しさ」は先輩や先生方の愛情の証だと考えて下さい。そして、この学園で安心して、堂々と前を向き歩んでください。私たちが自信をもってサポートしていきます。

最後になりますが、みなさん一人ひとりの学園生活が充実し、実りある素晴らしい日々となることを心より祈念し、簡単ですが、歓迎の言葉とさせていただきます。

平成26年 4月7日 在校生代表 鹿山拓真(生徒会長)

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