4月7日(木)、体育館で平成23年度長崎南山中学・高等学校入学式が行われました。
平成23年度長崎南山中学校・高等学校入学式校長式辞
新入生の皆さん、保護者の皆様、長崎南山中学校・高等学校へのご入学おめでとうございます。心からご入学を歓迎いたします。これから三年ないし六年間、この学び舎で共に力を合わせ、楽しく充実した学校生活を送っていきましょう。中学校に入学した皆さんも高校に入学した皆さんも、今までの生活とは全く違う新しい生活が始まるという意識を持って、気持ちを新たに勉学やスポーツに取り組んでいってください。
ご承知のように、この春は東日本大震災のために、進学・進級のお祝いをするにも手放しでは喜べない状況にあります。しかし自分たちの身近にこのような悲しい出来事が起こった今だからこそ、平穏無事な生活を送ることのできるありがたさを謙虚に受け止め、社会の中で自分にできることしなければならないことについて、腰を据えて考え実行することが大切ではないでしょうか。私たちが被災者たちのことを忘れず、自分が果たすべき務めをしっかりこなしていくことが、長い目で見ると被災者たちを助けることに繋がっていくのではないかという気がしてなりません。
もちろん、今回の震災に対して私たちができることは限られていると思います。しかし、復興に向けて頑張っている人たちから私たちが学ぶことはたくさんあるはずです。震災を教訓に一人一人が支え合い助け合って生きていくということがどういうことなのかを学びとり、それをこれからの生活に生かしていくことが、希望にあふれる未来を築き上げる大切な土台になることを信じたいと思います。
中学・高校時代の勉強は、どうしても自分自身の進学や就職の問題と切り離して考えることはできません。受験勉強の比重が大きくなるのは仕方のないことです。しかし、「受験があるから勉強しなければならない」という気持ちになるのもまた、否定することのできない事実ではないでしょうか。せっかく勉強するのであれば、受験勉強を突破口に色々なことに興味関心を示していきたいものです。
確かに勉強は厳しいものですが、将来自分は何をやりたいのかという視点を忘れなければ、勉強の厳しさは必ず乗り越えていくことができるし、厳しさの中にも学ぶ楽しさを見出すことができるはずです。そういう意味で、今回の震災からも私たちは自分が生きている意味を謙虚な気持ちで問いかけ、そこからこの南山で学ぶ意義を見出していくことが大切だと思います。
さて、長崎南山中学校・高等学校は今年創立五九周年を迎えます。創立六〇周年を間近に控え、昨年の秋から私たちは「伸びる南山、伸ばす南山」というブランド・コンセプトを立ち上げています。これは、「これまでの六〇年近い歴史の中で南山は何をやってきたか」という教職員一人一人の問いかけから生まれてきたメッセージです。生徒と先生が共に学び、試行錯誤を繰り返しながら、勉学やスポーツの実績を上げてきたことが、このメッセージの中に託されています。南山は生徒が伸びる場所であり、先生が生徒を伸ばす場所でもあるわけです。
新入生の皆さんにもぜひとも「伸びる南山、伸ばす南山」を体験して欲しいと思います。今日からは新入生の皆さんも南山の歴史を刻み込む当事者になります。皆さんの在学中に南山が創立六〇周年を迎えるというのも何かの縁でしょうか。六〇年イコール還暦と言われるように、六〇年でカレンダーは初めの状態に戻ります。この節目に、改めて南山の創立に携わった人たちに思いを馳せ、彼らの南山に対する思いを偲びながら、より良い南山を築き上げていくことが、創立六〇周年を祝う私たちに求められていることではないでしょうか。式典を行なうことだけが創立
六〇周年の事業なのではありません。むしろ、六〇年近い伝統が築き上げてきたブランド・コンセプト「伸びる南山、伸ばす南山」が、勉学においてもスポーツにおいても何事においても、これからの学校生活の中で更に明確な実績として実を結ぶよう、私たち一人一人が日々努力を積み重ねていくことに、創立六〇周年を記念する大きな意義があるのではないでしょうか。
初めにもお話したように、今日からは今までの生活とは全く違う新しい生活が始まるのです。気持ちの持ち方一つで自分自身を大きく成長させることができます。これもまた六〇年近い伝統に裏付けられたブランド・コンセプトが証明していることです。これまでの人生が順調だったという人もそうでない人も、この南山で新しく生まれ変わり、自分の将来の夢を実現していくという前向きな気持ちを持って、共に力を合わせ、これからの三年ないし六年間、楽しく充実した学校生活を送ってください。先生方も皆さんにとことん付き合っていきます。
皆さんは決して一人ぼっちではありません。家族、仲間、先生といったたくさんの人たちに支えられていることを忘れないでください。周りの人たちへの感謝の気持ちがあれば、どんな困難もきっと乗り越えていくことができます。毎日の生活の中には良いこともあれば悪いこともあろうかと思いますが、大切なことは毎日感謝しながら一日を終えることができるかということです。「今日も一日いろいろなことがあったけど、自分は良くがんばった。良かった」と自分をほめることができるような、そんな毎日を皆さんが過ごしてくれることを切に願っています。
最後になりましたが、保護者の皆様におかれましては、数ある学校の中からご子息の進学先に長崎南山中学校・高等学校を選んでいただき、心から感謝申し上げます。これから三年ないし六年間、ご子息を大切にお預かり致します。「南山に来て良かった」と喜んでいただけるよう、教職員一同一生懸命がんばってまいりますので、どうぞ南山の教育活動にご理解とご協力をよろしくお願い致します。
本日ここにお集まりの皆様一人一人の上に神様からの豊かな祝福を心から祈念し、学校長の式辞と致します。
平成23年4月7日
長崎南山中学校・高等学校
学校長 松本 勝男
桜咲きほこる今日の良き日に、皆さんをこの長崎南山学園に迎えることができ、私たちは大変うれしく思っています。中学校、そして高校の新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます。
今日から皆さんは、長崎南山学園の一員となり、中学生として、また高校生としての新しい生活が始まります。
この南山学園での新しい生活に、不安を抱く人もいれば、期待に胸を弾ませる人もいることでしょう。この学園での生活がより充実したものとなるためには、みなさんは何が必要だと思いますか。
今日、新しいスタートをきる新入生の皆さんに、この学園生活がより楽しく、意義あるものとなるように、皆さんに大切にしてほしいことが三つあります。
まず、はじめに、みなさん一人ひとりが自分の中に「目標」や「夢」を持ってほしいということです。どんなに小さな目標でも、どんなに大きな夢でも構いません。目標や夢を持つことで、その実現のために、必ず努力をすることになると思います。その努力を積み重ねることこそが、必ず自分を成長させるのです。自分を大きく成長させるために、是非みなさん、明日からの生活の中で、小さな目標、そして大きな夢を持つことからスタートさせてください。
二つめは、何事に対しても積極的であってほしいということです。物事に対して受け身の姿勢では、自分の成長を止めてしまいます。能動的な勉強や、能動的な練習だけが、自分を伸ばすことになるのです。勉強でも部活動でも、やらされているという意識では楽しくもないし、力もつきません。積極的に自分から進んで取り組んでこそ、楽しくなるし、本当の意味での力がついてくるのです。是非、みなさん、今日から何事にも受け身の姿勢ではなく、積極性を持ち、自分から進んで取り組むことで、本当の「ちから」をつけてください。
そして三つ目は、これからの南山での時間を大切にしてほしいということです。南山での三年間は、これまでとは比較にならないほど早く過ぎ去っていきます。授業の時間数が増え、部活動もハードになり、やるべきこともこれまで以上に増えてきます。したがって、一つひとつに対して、いい加減に取り組むと、その時間を無駄に使ってしまうことになります。それでは全く意味がありません。南山での時間は、仲間と切磋琢磨し、自分自身を鍛え、成長させる大切な時間だと思います。つまり、時間を大切にしてほしいと言うことは、何事にも一生懸命に取り組み、南山での時間を自分にとって素晴らしい時間にしてほしいと言うことなのです。
新入生の皆さんに伝えたいのは、南山での生活では、この三つのことを大切にし、自分自身を大きく成長させ、将来への道を切りひらく「ちから」をつけてほしいと言うことです。そして、この三つのことを大切にし、本気で取り組むことで、間違いなく南山での学校生活は、皆さんにとって楽しく、有意義なものになるはずです。
明日から始まる南山での生活に胸を張って積極的に取り組んでください。
最後になりますが、今年度の南山学園の努力目標は昨年度に引き続き、「服装・挨拶愛される南山、学習・部活誇れる南山」です。皆さんもこの努力目標を毎日意識して私たちと一緒にこの学園を盛り上げていってほしいと思います。
新入生のみなさん一人ひとりが、それぞれの目標を明確にし、その目標実現のために努力してくれることを祈りながら、簡単ですが、歓迎の言葉とさせていただきます。
平成23年4月7日
在校生代表(高校生徒会長)
小倉匡裕