4月6日(月)、中学校・高等学校の入学式が本校の体育館で行われ、中学生65名、高校生247名の新入生を迎え入れました。高校生は4月2日?3日の日程で宿泊オリエンテーション(諫早)が行われています。新しい生活に早く慣れて、充実した学園生活をおくってほしいと思います。
【歓迎の言葉 生徒代表 生徒会 会長 茅原孝行】
吹き抜ける風も心地良く、さわやかな春を感じる季節がまた今年もやってきました。
新入生の皆さん、長崎南山中学校、高等学校へのご入学おめでとうございます。みなさんをこの学園に迎えることができ、私たち在校生は心から嬉しく思っています。今日、この日からみなさんは、この歴史ある、「長崎南山学園」の一員となり、中学生、そして高校生としての新たな生活が始まります。
今、みなさん、それぞれの胸中には、期待や不安に満ちた様々な思いがあると思います。確かに、これから始まる南山での学園生活は、これまでの小学校や中学校での生活と違った「厳しさ」や、忙しい毎日が待っているのも事実です。しかし、みなさん一人一人の心がけの意識の持ち方次第で、充実した学園生活をおくることができるのが、この長崎南山学園なのです。
長崎南山学園は創立六十一年目から、先輩の築き上げてこられた歴史と伝統を受け継いでいく決意を新たに、「長崎南山リーダーシップ教育」という新たな取り組みが始まりました。この「リーダーシップ教育」とは、南山の校訓のである「高い人格」、「広い教養」、「強い責任感」を具体化するための取り組みで、三つのリーダーシップで表現されています。
まず一つ目のリーダーシップが「セルフリーダーシップ」です。これは、私たち自身が自ら考え、「なりたい自分」、「かなえたい夢」や「目標」と実現させる力を身につけるものです。みなさんの学園生活でも、勉強や部活動において、他の人に頼らず、目標を持って自分の進路を切り拓いていかなければなりません。「夢」や「目標」がなければ、ただだらだらと日常生活を送るだけになってしまいます。みなさん、「夢」や「目標」をもってください。そして、その「夢」や「目標」を実現させていくために、自分自身と向き合い、自分を鼓舞し、高めていってください。
二つ目は、「グローバルリーダーシップ」です。異なる世界の価値観を理解し、自分の視野を広げると共に自分の意思をしっかり伝えていく力を表しています。人は、それぞれ自分の考え方や価値観をもっています。ですから、自分と考え方や価値観のちがった人もたくさん存在します。しかし、相手の考え方や価値観を否定するのではなく、まずは受け入れ、相手のことを知ろうとすることが大切です。そうすることで、自分の視野や知識が広がり、自分自身の考え方も深まっていきます。南山ではオーストラリアや韓国の学校と提携があるほか、アメリカの学校とも交流があります。異文化との交流に積極的に参加し、外の世界へ視野を広げ、自分の将来を切り開く原動力としてください。また、毎朝実施される「朝の読書」や「朝の心」を通じて、様々な知識や考え方を身につけていくことも大切なことです。これからの日本は、さらにグローバール化が進んでいきます。自分の視野や知識を広げ、これから私たちが巣立っていく社会で通用する力をしっかりと身につけていきましょう。
三つ目は、「サーバントリーダーシップ」です。これは、自らが規範を示し、周りや組織を支援しながら目標を成し遂げる力を意味しています。「リーダーシップ」というと、自分が先頭に立って組織を引っ張るイメージが強いと思いますが、「サーバントリーダーシップ」では、周囲や仲間と協力して働き、共に目標を成し遂げていくリーダーシップを意味します。南山では、生徒会活動を中心に、私たち生徒が主体的に学校行事を企画運営しています。そのため生徒会役員も50名以上という県内でも最大規模の組織運営がなされています。周囲を引っ張るリーダーも必要ですが、役員一人ひとりが学校のために、何ができるかを考えて行動しています。これは、クラスや部活動でも同じです。自分自身がクラスやチームのために何ができるかを考えて行動することで、クラスがまとまり、チームのレベルも上がっていくはずです。このように、「サーバントリーダーシップ」では、仲間や組織、集団の中で、自分に何ができるかを考え、責任を持って行動することが求められます。
? 以上、三つのリーダーシップは、これからみなさんが三年後、または六年後、進学先や社会の中で、必ず必要とされる力になるはずです。そのためにも、新入生のみなさんは、これからの学園生活で、一人ひとりが「夢」や「目標」を明確にし、その実現に向けて、日々努力を続けることを大切にしてください。その努力を続けるプロセスにこそ、「自分自身の成長」や「仲間との絆」、「充実した生活」があるのです。
南山では努力を続けるみなさんを先輩や先生方が熱心にサポートしてくれます。時には先輩や先生方から厳しく指導を受けることがあるかもしれません。先輩や先生方が厳しく指導をされるのは、大きな期待があるからなのです。ですから、「厳しさ」をただ単に「怒られている」ととらえず、自分に対する愛情の証だと考えてください。そして、この学園で安心して前を向き歩んでください。みなさん一人ひとりの、南山学園での活躍を心から期待し、歓迎の言葉とさせていただきます。
平成27年4月7日
在校生代表 生徒会会長 高校3年 茅原孝行